空の追憶の果て。 ―Wishes upon the sky―

自他共に認める永遠の146センチの創作・エンタメブログです。おもに小話や短編、その他創作などをのんびりと更新していくことになると思います。なお、小説類は転載・持ち帰り禁止です。

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※重要なお知らせ
現在特にありません。更新滞りがちですがお時間あるときに覗いてみてください。
☆今月の小説
『エイプリルフールの女王』【Renew!】
piecesofsky.blog3.fc2.com/blog-entry-306.html







  私たちは、絶妙なバランスとラインの上に成り立っている。
              それは巧妙に仕掛けられた、君と私のあやとり迷路。

         てっぺんに辿りつくのは君か、私か?

  願わくは、ノイズ混じりの向こうのキミに出逢いたいんだ、ただそれだけだ。


             踏み出す今日は快晴。
             見据える明日は平静。
          情熱的?だけど至って浸って冷静に。




  さあ、時計がまた1周した、直に地球も1回転。
        光はいつか見えるさ、ほらごらんすぐに夜明けに到着だ。






      お陽様、今日もワタシの(ボクの)
        世界のバランス取りを、ヨロシク。














Lyrics inspired by: Yellow Pansy Street/Kanjani ∞
ER/Kanjani ∞
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【Recommend Short】


―――マイクロフォンから 君に向かい唄ってるんだぜ
                 届いてくれたならぁ――…




白の世界の中、今日も夢を見る。
ブラックボックスに立ち尽くして、俺は歌を唄う。

頭上に広がる暗闇に、ちかちかと瞬く星。
それらのどれもが明るく照らすけれども、やはりそれは心もとない。
近いようだけれど、それは遠い。

す、と吸い込んだ息は清く自分の肺を満たしてくれる。
何色にも染まらない空気が自分の体を巡って、心臓がどくどくと唸りだす。

念じれば目の前にマイクが現れて、スタンドに立てたそれを俺は握りしめる。
握り手が赤く塗りつぶされたそれは、きっと自分が今までに見てきたたくさんの傷と心。

 感情は、準備万端だ。

いつだって魂はずっと此処にある。
このブラックボックスの、紅に塗られたマイクの底。
黒塗りの壁の向こう側が誰であろうと、伝えたい今の感情は吠えだしそうに疼いてる。

 きゅ、とマイクを握りなおせば、ブラックボックスの中地に足をつけた感覚を取り戻す。
何者でもあらぬ、何者かのために唄う。
あらん限りの声で、マイクのこちら側から得体のしれぬ向こうへ。

 願わくは、俺の願った通りに声が届いているといい。

瞼を閉じれば、ブラックボックスは完全に紅をも塗りつぶして音だけを世界に響かせる。
息が苦しくなっても呼吸が乱れても身体が震えても、頭が割れそうになっても崩れ堕ちそうでも。

 全力疾走するように、唄う。死ぬ気で唄う。

それが生きる道、それだけが存在意義、それが俺の灯。
ブラックボックスよ、俺の声だけを届けて。





「……っ、」
 夢から覚めて視界に入ったのは見慣れすぎた天井の壁紙。
つい癖でのばしすぎる自分の黒い髪が、ぱさりと枕に擦れる音がした。
最後に夢の中で瞬いた星が、まだ少し視界の端に残っている気がした。
 流れ星に願いを。
3回流れる間に唱えれば願いは叶う、そんな迷信ですら信じたかったあの時期を思い出した。

 両側に投げ出した手の、右手の指先をぼんやり見つめながらもう片方を額にあてた。
いつもは絶対にかかない汗をうっすらかいているのに気づき、苦笑する。
悪夢じゃあるまいし。夏でもないのに。
…それとも悪夢、だったのだろうか。否。

 暗闇に黒光っているだろう自分の眼を、あの場所へ戻すかのように瞼を閉じた。
遮断される視界。弱まる、いかんせん強すぎる自分の眼差し。
すう、と吸い込んで息を止める。
真綿で締め付けるみたいに少し苦しくなりはじめてから、ゆっくり呼吸を取り戻す。

 上手く扱えない言葉はほとんど届く前に放物線を描いて堕ちるのだから。
生まれ持ったこの眼差しも、防御するための言の葉も、結局自分を救えはしないのだから。
一瞬の刹那瞬いて消える星のように、いつか全て消えてしまうんじゃないかって。
 ずっと、それを思って怯えてきた。

ブラックボックスだけは裏切らない。
自分だけの黒塗りの世界。

 だけど儚くも強く瞬いた星たちは、ひとつふたつみっつ、増えていった。
誰かの白い掌と笑顔と喧騒が、あたたかい笑い声が、暖色の眼たちが、
 いつのまにかできたブラックボックスの隙間から垣間見えていた。


 未だ、ぼんやりとした自分の思考はきっと現と夢を行き来している。
境界線のこの危ういバランスが、ふわふわとしていて酔った時の様に心地よい。


――届いてくれるなら。

「……明日も歌いたい、」



 ああ、果てない自分のこの欲は。
明日もきっと吠えそうな心と燻った感情を持て余して、歌にして広がるのだ。

自分の世界、自分のブラックボックス、自分の声。
心が満たされるそのときまで、声が枯れるまで、きっと俺は死んでも死にきれない。


…出口のないブラックボックスに扉をつくってくれたのは、きっと。



                        
       To be loved
名もない扉

He sings eternally in his own black box.




T.W.L./Kanjani∞ 歌詞一部引用
Dedicated to the specified member of the group above.
Thanks to S.S.



*追記あり。
4月26日 再アップ。
12月23日 再修正。

エキストラ・エキストラ
Lyric by Sora Aomi.

エキストラ エキストラ
みんな人生のエキストラ
決められた発車時刻に決められた電車
おはようございます すみません ありがとう おつかれさまです
決められた台詞 脚本通りの雑踏
聴こえなくなっていく音
予定通りに進んでいく 列車と会話
人々の笑い声 変えられない物語り
そう 僕らはみな人生のエキストラ

見えなくなる景色 与えられないヒント
手探りで紡ぐ言葉 
置いて行かれる、脇役
予定通りに進めば満点さ きっと至福が待ってるよ
「誰もがみな主人公」
君も僕も エキストラ
ほら 缶コーヒーの裏にだって生きるヒント
吐き捨てた言の葉に責任は持たない
だってそれはエキストラ

僕らはみんなのエキストラ
キミもボクもエキストラ
魔法の呪文さ
エキストラ・エキストラ


2017.5.15 Written



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あとがき

長らくまたご無沙汰してしまっておりました、蒼海聖奈です。
とあることを切欠になにか表現しよう、書こう、と決意しできました。
不完全なまま発想がいくままに綴りましたが、
空追。に完全なものなんて元からありません。最早。

ちなみにエキストラという言葉そのものが好きです。
が、それ以上に、「エキストラ」で思い出すのは、世にも奇妙な物語での『エキストラ』というお話です。
追記でまた詳細など語ってもよいくらい、私の中では影響と衝撃を受けたお話のひとつです。
ホラー系(特に日本ホラー全般)は全くだめな蒼海ですが、世にも奇妙の「奇妙なお話」ジャンルはよく観ます。
『エキストラ』とか『才能玉』はかなり印象に残っていたり…
あと、阿部サダヲさんが出ていらしたお話(カウントダウンだったかと)も覚えています。
あっ最近だと『夢みる機械』というのも…(以下長くなるので割愛)
好きな作品を並べるとおそらく好みが一目瞭然でしょう。はい。

これを書くのにエキストラという言葉を調べましたが、意味も様々あって興味深いですね。
また思いついたら色んな言葉を題材に書いてみたいです。

私事で綴ることすらままならない日々に埋もれてしまっていますが、
追記にて、後日また世にも~語りなどのせるかもしれません。そっちか、と落胆せずによければ加わってください。

それでは、明日もよい物語(エキストラ)を。

  鳴りはじめの旋律


 僕はひどく臆病な人間なのだ。
 どこがと訊かれてもうまくは説明できない。たとえばそれは、こどもがお母さんに「虹の向こうにはなにがあるの」とたずねるような、それくらい曖昧な感覚だ。
 ただ、ふとした瞬間にそんな自分を強く意識して自己嫌悪するときがある。

 その日は文化祭だった。
 元々自由な校風の僕の学校は一年で一番といってもいいほど音や色にあふれていて、空はそれに呼応するかのように雲ひとつない青さだった。
軽食や焼きものを売っている屋台、展示物、そしてスペース中央に設置された舞台。
 そのどれもがひどく輝いていて、笑顔にあふれたそれらからはまさに青春と希望がありふれていて。これこそが高校生の醍醐味です、そんな雰囲気に満ちている。
 いつもは気にしないようにしている様々な事に、この日ばかりはどうにも耐えられなくなってしまう。それから逃げるように僕は毎年それらの喧騒から遠ざかる。
 誰かが大声で呼び込みをしているのを背にして今年も校内の廊下を進む。
足は自然と音楽室へ向かっていた。

 音楽室は校舎の一番南側にある。
他の学校よりもカリキュラムが少し特殊なこの学校では普段あんまり音楽の授業をすることがないせいか、大半は奏楽部が使うのみの部屋だ。
少し変わった構造のその部屋の奥にはもうひとつ小部屋があって、そこは楽器や楽譜立ての倉庫となっている。せまくるしいその別室は、軽音部の部室となっていた。
 僕は部外者だからよくは知らないけれど、そんなに近くに部室が隣接しているとなると部活動の際に支障がでるだろうことは間違いないだろう。噂にきいた話だと、軽音部の部員は例年少ないため(5人を満たしたことがないそうだ)、肩身をよせるようにしてその部室を確保し週2、3日の部活動をしているらしい。
いくら部員数が少なくとも軽音部が「部」としてなりたっているのは、ひとえにうちの学校のオトナの都合というものらしかった。
そんなものだから、その部屋は日頃からセキュリティが緩い場所のひとつだ。
うちはいわゆる不良が少ない学校なので、そこで誰かが煙草をくゆらせているなんてこともない。
代わりに、たとえ部員以外の誰かが出入りしていたとしても気づかれない。というより、誰も気にしないのである。過去に悪戯事件が起きたという事例もない。
 だから僕が年に何回かそこで時間を過ごすことがあっても誰も知る由はない。
 音楽の授業は少ないくせにうちの文化祭で占める音楽系のステージはやたら長く、また文化祭期間は部室以外の教室に控室が設けられていることもあって、この期間は特にこの別室はひとが近寄らなくなる。

 軽音部の部室とは、喧騒から少しでも離れていたい僕が高校1年の文化祭でみつけた格好の避難場所なのである。

 最近は活動が鈍っているのか部員がいちだんと減ったのか、久しぶりに踏み入れた別室は一段と埃っぽくなっていた。
 部屋の隅には使わなくなった壊れかけの楽譜立てが乱雑に置かれていて、かろうじて人が座れるパイプ椅子がいくつか壁に立てかかっていた。かつてはきちんと張られていたのであろうシートは破けてしまい、黄色いスポンジが飛び出ている。骨組みが歪んだ鉄製の本棚がもう片方の隅に所在なさげにあり、そこには誰かが遠い昔においていったのだろう楽譜が数枚置かれていた。
ドアから向かって左手にある窓から射す陽ざしが部室を照らしていた。その光の筋にそうようにして、どこかのアニメの映画にでもでてくるように埃が舞っている。

 これは不思議な感覚なのだが、古ぼけたこの部室に足を踏み入れるたび、心の奥でなにかが疼く。それはまるでほのかに滲む歓びのような、けれど後ろめたくもある感情だった。
 とてつもなくここから逃げ出したくなるのに、同時にずっとここにいたくなるような。

 しばらくドア付近につったって部室を見渡していると、本棚と部屋角の間のわずかな隙間、立てかけてあるアコースティックギターが目に入った。
楽器を置いておくには不自然とも思える場所だったうえにケースにも入っていないので、以前もあったか思い返そうとしたのだが記憶のどの引き出しにもそのギターはなかった。この数か月の間に軽音部の誰かが置いていったのだろうか。
 誰かの持ち物にしては年季の入っているそれはがらんどうの部室の中でやけに存在感を放っていて、それに引き寄せられるように部屋の中へと歩を進めた。
 楽器には詳しくないので、ヴィンテージのギターなのかはわかり得ないが、それが新品でないことは間違いなかった。けれどそのギターが放っている言葉にできない雰囲気に、僕はおのずと触りたいという衝動に駆られた。
 近づいて恐る恐るギターの首を持ってみる。想像していたより軽く感じ、それがなおさら容易に壊してしまいそうに思えて僕の手つきは慎重になった。
 生まれてこの方ギターを弾いたことはなかった。
たまにテレビで見る歌手の姿を思い出しながらそれっぽく抱え、指を弦の上に置いてみる。そもそも指の構え方もわからなかったが、こんな感じだったかなと記憶を頼りに弦を抑えてそっと力を込めた。
 固い弦がやわらかい指の皮膚に食い込む。そっとその抑圧を手放す。反発した弦が震え、ジャン、と音が零れた。
 それはテレビで見る歌手のそれより断然拙かったけれど、誰もいない空間によく響いた。

「なーにやってんの」
 からかうような、けれど好奇心を含んだ、どこか遊んだ声がとつぜん聞こえた。
 動揺してギターを取り落しそうになって、僕はあわててギターの首を抑える。さきほど単一音を弾いていた弦はべん、という情けない音を吐き出した。
「あー、いいよいいよ、それ好きに使っちゃって。誰も使ってないから」
 ろくに音も調節してないし。軽い調子でそう言い、そいつはからからと笑った。
ふわりとした明るめの茶色い髪に、人好きそうな笑顔。いかにも軽音部にいそうな、でもバンドマンというよりは柔らかい印象の文系タイプだった。
「キミ、たまにここに来てるよね」
 ふふん、という言葉が似合いそうなそのセリフに僕はふたたび動揺した。
「えっ」
「ふふん。俺知ってるよ?誰にもみられてないと思ってた?」
 毎年、文化祭にあらわれる軽音部おばけ!なんつってね。
 今ほんとに「ふふん」って言ったな、とか、おばけってさすがに失礼じゃないかとか、つっこみたいところは多々あったけれど。
 誰かに、しかもよりによって部員に、この密かな空間を見られていただなんて。
 ――穴でも掘って入りたい気分だ。
 僕は猛烈な羞恥心に襲われ、顔にかっと血が集まる感覚に襲われた。
「あ、ねえ」
 恥ずかしくて、ギターを抱えて俯いていると、彼はまた話しかけてきた。さっきの揶揄するトーンとは違う響きに、視線だけで彼のほうを見上げる。彼は、ふわっとさせた前髪から円い瞳を瞬かせて、声色とは反対に、に、と笑っていた。
「あのさ、キミ、軽音部入らない?」

※※※

「え?」
「さっきから“え”しか言ってないね」
「いや、だって」
 あまりにも急ばかりの展開に彼の顔を見つめたまま呆然とする。窓から差し込む西日が反射して亜麻色にみえるその瞳にバカみたいな表情をした僕がうつっていた。
 彼はそんな反応を気にもせず、手を後ろで組むと言葉を続けた。
「うちいまギター俺しかいないんだよねえ。しかも男子、俺しかいないの。」
 その言葉に、思わず僕は制止をいれる。
「ちょっと待って。それって…僕にギターをやれってこと?」
「そうだけど。」
 彼は何言ってんの?と不思議そうに僕を見た。不思議なのは僕の方だ。この人は僕の何を見ていたんだろう。
「あの…さっきのギター、聞いてた?」
「ん?うん」
 彼は少し首をかしげると、陽ざしで煌めく瞳を数回瞬かせて、その瞳を柔く細めた。彼の背後からさす夕陽が眩しく、僕は目を眇めるようにして彼を見上げていた。その柔和な表情にどきりとしながら、僕は尋ねた。
「聞いてたなら、僕がギター弾けないの…わかるよね?」
「うん、あんまり上手くなかったね。ていうか、初心者以下だったね」
「う…」
 淡々とした声で返されるとそれはそれで傷つく。それでも負けずに更に問いかけた。
「じゃ、じゃあどうして」
「うーん」
 ギターと戸惑いを抱えじっと見上げる僕の疑問に、彼は唸ったきり喋らなくなった。
僕と彼との間に静寂が訪れる。オレンジの陽ざしで浮き彫りになったほこりっぽい空気だけが動いていた。
 数舜のあと、彼は真面目な顔つきになると、やけに確信に満ちた眼差しで断言した。

「音を聞いたとき、思ったんだよね。俺と一緒に、俺がやりたい音楽やれんのはコイツしかいないって」



心の底で、ピアノの駆け上がるような旋律が聞こえた。
それは僕らの青すぎる春の、始まりを告げる音だった。




2017.4.2  updated.





*****
【あとがき】

間に合わなかった…!こんばんは、蒼海です。
3月中にあげると言っていた例の短編です。短編…?なのかしらこの長さ。でも、中編ではない。
これは結構前から温めていた(書きかけだった)お話です。
文化祭…というか、青春ぽい爽やかな風が吹いている雰囲気のものを書きたかったのかと。
学校によって文化祭の時期は多少異なると思いますし、ましてや高校って確か秋…だったような。
おそらく秋に書き始めたんですが、春…っぽくもあるしいいよね!ということで。

この話に関しては最後から2番目の一文が真っ先にでてきました。
それから、こっそり部室にしのびこむ男の子と、ふわふわ飄々とした態度の男の子のシーン。
暖色に染まった夕方の部室とギターのへたくそな音。

まだまだこういう、脳内に流れるドラマみたいな情景を書ききる体力がなく埋もれるお話達がたくさんあります。
こういう情景に求めているものはなんでしょうね。いくつになってもこういう歳や始まりのお話、書けたらいいです。

ちなみに蒼海の記憶にある部室は基本、窓がありませんでした。窓欲しかったな(笑)

春、というには少し寒い日が続きますがみなさん心身を大切に。
素敵な新しい始まりを切に願っています。

◆このお話は長編です。
現在プロローグ、basic smile1~3、そしてclient1編へと続いています。まずは大まかなプロローグを読んでどうぞ。お時間があったら前の話も読んでみてください!
http://piecesofsky.blog3.fc2.com/blog-entry-330.html



「そっか。じゃあ君が、担当の人なんだね」
「はい、よろしくお願いします」
 マネージャーの長嶋が担当医と話しに行っている間、ショウタはアサヒに依頼の内容確認と軽い自己紹介をした。真っ白なベッドの端に何気なく腰掛けるアサヒは、見た目は何とも健康そのものだった。
 すっと通った輪郭の上、薄い口唇を綺麗に上げたアサヒこと朝倉陽は、軽快な声色で話した。
「敬語とかいらないよ。これからお世話になるんだしさ!それにショウタくん、そんなに年変わらないでしょ」
「ええまぁ、一応同世代ですけど、年下ですし」
「いいって。俺のことも、好きに呼んでくれていいからね」
 お客様は丁寧に扱え、と散々木下に言われている手前ショウタは躊躇いを見せたが、アサヒにそう言われ、通常通りに接することにした。ショウタの通常とはつまり、かなりフランクに、ということだ。
「じゃあ、お言葉に甘えて」
 歯を見せて笑ったショウタに、アサヒは満足げに微笑んだ。その微笑は彼が患っている病状とは思えない、完璧な笑みで。血の気がよい薄桃色の唇はまさにお手本通りといえる角度で上がっている。加えて、どこか大型犬を思わせる黒目がちな瞳には柔らかい光が宿っていた。

 陽に透かされて耀く彼のマルーンブラウンに染められた髪を見ながらショウタは思う。
 この人は、本当に病人なのだろうか。
 彼は本当に“笑顔喪失病”なのだろうか――?
 いったい何が、彼の笑顔の弊害になっているんだろうか。

「これからよろしゅう、…陽くん」
 ショウタらしくもなく小さく呟やいたその呼び名に、一瞬だけアサヒの瞳が揺らいだ。けれど微かな彼のその動揺には、まだショウタは気づくことができなかった。


Cont. to Client 1 Smile 6



【あとがきという名のご挨拶】

皆さんどうもお久しぶりです!蒼海聖奈です。
大変ご無沙汰してしまって申し訳ございません…。
ちょくちょくテンプレートを変えたり過去記事の整理に来たりしているのですが、
文章を書きかけては完結しないというメモ書き増殖魔を悪化させる一方で。
つまり、現実が「忙しい」という言い訳に逃げているただの言い訳です。

私の好きな、今なお尊敬している方々の歌にあるのですが、
『言い訳とか弁解とか歳をとるたび増えてます
「時間がない」ついグチって
忙しさに流れているけれど』
この詞、本当に身に染みてくるんです。歳を重ねれば、重ねるほど。
ただ、この歌はその詞のあとに、「でもいいじゃない、適度に頑張ろうよ」というメッセージが込められていて、
蒼海の信条の大事な基盤となっています。
また機会があればきちんとご紹介したい曲のひとつです。

拙作ではありますが、またひとつできそうかな?という小さなお話がやっとできました。
連休中にあげられたらよいなとは思うのですが…3月中!という目標をここに掲げておきます。
あがらなかったら催促のコメントを!(いらっしゃらないかと思いますが…)

で、なんとか拙くてもいいからあげられるものはないか…とSmiler Makerを1年ぶりに掘り起こしてまいりました。
実は前回とんでもなく中途半端なところで切っているため(過去の私よどうした)、ここまでで再編させていただきます。
また後々統合させます。読みづらいかと思いますがお許しください。

この時点であとがきのほうが本編より長くなってしまいました。
Smiler Maker自体もちょくちょく編集していくかと思いますが、こらからも空追。を”よろしくお願いします”!

それでは、皆さんよい明日を。