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空の追憶の果て。 ―Wishes upon the sky―

自他共に認める永遠の146センチの創作・エンタメブログです。おもに小話や短編、その他創作などをのんびりと更新していくことになると思います。なお、小説類は転載・持ち帰り禁止です。


お久しぶりです。
蒼海聖奈です。

気がつくと私事に追われて日々を送り、長い間ここを留守にしていました。
書きかけの文字たちに思いを馳せながら、忙しなくもどかしく時間が過ぎてしまっています。

少し前から空追。のこれからについて考えています、という話を前の記事でしたのですが、
現在一部内容を限定公開にしております。

●1 長編 大事なものは、大切に。
●2 長編 私と君と、等身大の恋心。
●3 長編 桜物語。 ―希望の桜―
●4 中編オムニバス PrisΦn

ご覧になりたい方は、パスワードをお教えしますのでブログ内にあるメールフォームより蒼海までご連絡ください。
いつになるかはまだ未定ですが、内容や文章を見直して再構成したうえでまた公開させていただきたいと考えています。

ひと段落したら温めているものも出したいと思っています!
とりあえずは、今みている映画や演劇の鑑賞記録でも残せたらいいなーとぼんやり計画中です。(ぼんやり)

最近映画欲がすごいので、おすすめの映画があればぜひ教えてください。

(とりあえず好きなものを観ているのですが、いかんせん私チョイスなので偏りが著しく・・・)


では、明日も皆様に幸せな一日を。


靴音
Lyric by sora aomi

なんもかんも嫌になって
窮屈な現実なんて脱ぎ捨てたくなって
ガラにもない 新しい靴を買ってみた

僕は僕でいたいだけなのに
そもそも「僕」ってなんだっけ?
吐き出す言葉さえ見つからない
誰に何を叫べばいいのかもわからないんだ

ずっと靴音を探しているんだよ
それは僕だけの、今しかない靴音だ
足跡じゃないよ
靴音を探してるんだよ 一緒に探しておくれよ

人ごみの中の誰かと目が合って
お辞儀もしないでそっと見なかったフリをした
ダメだなあって溜め息ついて 幸せは逃げた

さよならだね うん、もうさよならだ
「どこまでも駆けていけそうな靴ね」
なんて、嬉しかったんだけど切なかった
過去に置いていった僕が 寂しげな顔していたから

ずっと靴音を探しているんだよ
それは僕だけの、これから先の靴音だ
足跡じゃないよ
靴音を探してるんだよ ねぇ 一緒に探しておくれよ



2017.07.30 written
revised and updated 2017.12.05


お久しぶりです。師走ですね。
過去と今とこれからの季節です。
後日、雑記を追記いたします!では素敵な夜明けを。



◆◆12.12 (追記)

こんばんは、お久しぶりです。蒼海でございます。
こちらもお久しぶりでございますが、蒼海の現実的なSNS(メールなど除く)より最速でお届けしております。
ちなみに今日はAAA日高光啓さんことSKI-HIさんのお誕生日です!
おめでとうございますー!(拍手)
偶然にも、数年前は與さんのお誕生日を祝っていたりした蒼海。緩急ありですが、かれこれファンも10年ちょっとやらせていただいていることになります。なんと…時の流れとは。

最近、私の芯ともいえる原点の時代に戻る旅に出ておりまして。
切欠(きっかけ)は、昨年度の流れから今年に入り始まった色々なことと、再始動した人達です。
また詳しくはたいっへん長くなりますので、追記で語らせていただきますね…!(作品の本筋とも離れていますし)
書きかけていたのですが、もう本当にお久しぶり過ぎておしゃべりが止まらないことに気づきました(苦笑)
現在夜23時です。夜行性は長年蒼海変わりません…不摂生気をつけます…。

これも直接的には今回の記事に関わっていないんですが、改めてこの「靴音」を公開するにあたって、私の原点のひとつである作品を思い出しました。
宮部みゆき先生がお書きになり、アニメ映画化もされた「ブレイブストーリー」です。
ブレイブストーリー 宮部みゆき先生著 (ページはAmazon様です)
蒼海は原作からこの作品に大きな影響を受けたひとりなのですが、今回では語り切れないほど人生で大事にしたい本のひとつです。(そしてこの初版本が装丁も含めもっとも好きです)
アニメ映画も、当時映画館に行くことが贅沢だった中で、映画館の大スクリーンで観ました。
当時のさらに未熟だったわたしには、今の「君の名は。」が多くの方に与えているくらいの強烈な衝撃と印象があった作品です。
劇場に響き渡った、主題歌のAqua Timezさんの太志さんの唄声に気がつくと泣いていたのを覚えています。

”辛いとき、辛いと言えたらいいのになあ
僕たちは強がって笑う弱虫だ”

この歌詞と、本の言葉、物語ひとつひとつが今でも心に残るほどつよく問うてくる、そんな作品です。
蒼海の世界観を構築する欠片なので、脈絡もないですがご紹介させていただきました。

切欠のいろいろについては、また追記にて。それでは、また。

さよならサウンド

空が暗闇に沈んでいく頃
スピーカーから彼らの音が鳴る
心を引っ掻き回したくなるくらいの
輝きを放ちながら散らばってく音たちを

ああ 耳に届け 天に届け 私(さき)に届け

駅前で唄う彼等
コンビニ袋をさげて通りかかる私
一段上でギターを掻き鳴らし唄う彼
最前列で応援さえできず立ち尽くす私
柵などないのに
圧倒的に届かない何か 壁 すれ違う道

伸びやかな声を
変わっていく歌声を
ただ遠くから甘受するだけだった
あなたになりたかったの
”ありがとう”とマイクロフォン越し笑う彼
泣きたくて叫びたい胸を抑え込んだ私

耳鳴りが止まなくて 彼を呼ぶ黄色い声が鼓膜を刺していく
聴こえなくなることは怖いのに 彼の声でなら潰されたっていい なんて

1日が終わる頃に響かせる
シンクロスピーカーから彼らの声
また無益に殺した私の夢(さき)を
泣けないから 叫ぶようにキャンバスに落とした

ああ 耳に届け 心に届け 私(さき)に届け
乱反射 あなたに届け 君に届け.



written 2015-2016
dated 2017.01.31
re-update 2017.09.17


*********







皆さんお久しぶりです。わたしです。
蒼海聖奈です。

長らく更新しておらず、大変申し訳ございません。
更新していない間に、例の日にちも過ぎてしまい…。
気がつくと年の半分が過ぎてしまっているという衝撃。
光陰矢の如し、という言葉を時が過ぎるほど感じます。
でもそうできていることって、当たり前で、もしかしたら幸せなことなのかもしれませんね。

これは2015年から去年(2016年)くらいに書いたものですが、
少し自分自身の状況にリンクした詩でした。
そもそも「空追。」に載せている詩は全くの空想はほとんどないので
(もしかしたら大体の方がそうであるし、詩とはそういうものなのかもしれませんが)
自身の欠片を言葉に含めたり、揶揄したり、本当は曲でも(!)つけてみたいものだったりします。

実はこの頃、創作を仕上げられる状態になく「空追。」を振り返る作業に入っておりました。
昔のお恥ずかしいものはともかく、やはり”編集”したいものがたくさんあるなぁと思いました。
こうして皆さんに見ていただけるようにしている此処で、
そしてこうしたブログ形式にしているからこそ、
私の尊敬する方々の創作の仕方も勉強して少し「空追。」を整理しようかなと考えています。
もしかすると突如消えていたり制限されている記事や作品があるかもしれませんがご了承ください!

昔は「作品について解説するなんてちょっと格好悪いな」と若い考え(笑)だったのですが
作品が増えるのはゆっくりになりますが(今さらですね)、今までの解説も足していくつもりです。

それでは、偶々ここに来てくださった方も、これまで見守ってくださっている方も。
また時々、様子を見にきてやってください。皆さんに幸せな明日の空を。

2017.09.18 蒼海聖奈

エキストラ・エキストラ
Lyric by Sora Aomi.

エキストラ エキストラ
みんな人生のエキストラ
決められた発車時刻に決められた電車
おはようございます すみません ありがとう おつかれさまです
決められた台詞 脚本通りの雑踏
聴こえなくなっていく音
予定通りに進んでいく 列車と会話
人々の笑い声 変えられない物語り
そう 僕らはみな人生のエキストラ

見えなくなる景色 与えられないヒント
手探りで紡ぐ言葉 
置いて行かれる、脇役
予定通りに進めば満点さ きっと至福が待ってるよ
「誰もがみな主人公」(ほんとうに?)
君も僕も エキストラ
ほら 缶コーヒーの裏にだって生きるヒント
吐き捨てた言の葉に責任は持たない
だってそれはエトセトラ

僕らはみんなのエキストラ
キミもボクもエキストラ
魔法の呪文さ
エキストラ・エキストラ


2017.5.15 Written



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あとがき

長らくまたご無沙汰してしまっておりました、蒼海聖奈です。
とあることを切欠になにか表現しよう、書こう、と決意しできました。
不完全なまま発想がいくままに綴りましたが、
空追。に完全なものなんて元からありません。最早。

ちなみにエキストラという言葉そのものが好きです。
が、それ以上に、「エキストラ」で思い出すのは、世にも奇妙な物語での『エキストラ』というお話です。
追記でまた詳細など語ってもよいくらい、私の中では影響と衝撃を受けたお話のひとつです。
ホラー系(特に日本ホラー全般)は全くだめな蒼海ですが、世にも奇妙の「奇妙なお話」ジャンルはよく観ます。
『エキストラ』とか『才能玉』はかなり印象に残っていたり…
あと、阿部サダヲさんが出ていらしたお話(カウントダウンだったかと)も覚えています。
あっ最近だと『夢みる機械』というのも…(以下長くなるので割愛)
好きな作品を並べるとおそらく好みが一目瞭然でしょう。はい。

これを書くのにエキストラという言葉を調べましたが、意味も様々あって興味深いですね。
また思いついたら色んな言葉を題材に書いてみたいです。

私事で綴ることすらままならない日々に埋もれてしまっていますが、
追記にて、後日また世にも~語りなどのせるかもしれません。そっちか、と落胆せずによければ加わってください。

それでは、明日もよい物語(エキストラ)を。

  鳴りはじめの旋律


 僕はひどく臆病な人間なのだ。
 どこがと訊かれてもうまくは説明できない。たとえばそれは、こどもがお母さんに「虹の向こうにはなにがあるの」とたずねるような、それくらい曖昧な感覚だ。
 ただ、ふとした瞬間にそんな自分を強く意識して自己嫌悪するときがある。

 その日は文化祭だった。
 元々自由な校風の僕の学校は一年で一番といってもいいほど音や色にあふれていて、空はそれに呼応するかのように雲ひとつない青さだった。
軽食や焼きものを売っている屋台、展示物、そしてスペース中央に設置された舞台。
 そのどれもがひどく輝いていて、笑顔にあふれたそれらからはまさに青春と希望がありふれていて。これこそが高校生の醍醐味です、そんな雰囲気に満ちている。
 いつもは気にしないようにしている様々な事に、この日ばかりはどうにも耐えられなくなってしまう。それから逃げるように僕は毎年それらの喧騒から遠ざかる。
 誰かが大声で呼び込みをしているのを背にして今年も校内の廊下を進む。
足は自然と音楽室へ向かっていた。

 音楽室は校舎の一番南側にある。
他の学校よりもカリキュラムが少し特殊なこの学校では普段あんまり音楽の授業をすることがないせいか、大半は奏楽部が使うのみの部屋だ。
少し変わった構造のその部屋の奥にはもうひとつ小部屋があって、そこは楽器や楽譜立ての倉庫となっている。せまくるしいその別室は、軽音部の部室となっていた。
 僕は部外者だからよくは知らないけれど、そんなに近くに部室が隣接しているとなると部活動の際に支障がでるだろうことは間違いないだろう。噂にきいた話だと、軽音部の部員は例年少ないため(5人を満たしたことがないそうだ)、肩身をよせるようにしてその部室を確保し週2、3日の部活動をしているらしい。
いくら部員数が少なくとも軽音部が「部」としてなりたっているのは、ひとえにうちの学校のオトナの都合というものらしかった。
そんなものだから、その部屋は日頃からセキュリティが緩い場所のひとつだ。
うちはいわゆる不良が少ない学校なので、そこで誰かが煙草をくゆらせているなんてこともない。
代わりに、たとえ部員以外の誰かが出入りしていたとしても気づかれない。というより、誰も気にしないのである。過去に悪戯事件が起きたという事例もない。
 だから僕が年に何回かそこで時間を過ごすことがあっても誰も知る由はない。
 音楽の授業は少ないくせにうちの文化祭で占める音楽系のステージはやたら長く、また文化祭期間は部室以外の教室に控室が設けられていることもあって、この期間は特にこの別室はひとが近寄らなくなる。

 軽音部の部室とは、喧騒から少しでも離れていたい僕が高校1年の文化祭でみつけた格好の避難場所なのである。

 最近は活動が鈍っているのか部員がいちだんと減ったのか、久しぶりに踏み入れた別室は一段と埃っぽくなっていた。
 部屋の隅には使わなくなった壊れかけの楽譜立てが乱雑に置かれていて、かろうじて人が座れるパイプ椅子がいくつか壁に立てかかっていた。かつてはきちんと張られていたのであろうシートは破けてしまい、黄色いスポンジが飛び出ている。骨組みが歪んだ鉄製の本棚がもう片方の隅に所在なさげにあり、そこには誰かが遠い昔においていったのだろう楽譜が数枚置かれていた。
ドアから向かって左手にある窓から射す陽ざしが部室を照らしていた。その光の筋にそうようにして、どこかのアニメの映画にでもでてくるように埃が舞っている。

 これは不思議な感覚なのだが、古ぼけたこの部室に足を踏み入れるたび、心の奥でなにかが疼く。それはまるでほのかに滲む歓びのような、けれど後ろめたくもある感情だった。
 とてつもなくここから逃げ出したくなるのに、同時にずっとここにいたくなるような。

 しばらくドア付近につったって部室を見渡していると、本棚と部屋角の間のわずかな隙間、立てかけてあるアコースティックギターが目に入った。
楽器を置いておくには不自然とも思える場所だったうえにケースにも入っていないので、以前もあったか思い返そうとしたのだが記憶のどの引き出しにもそのギターはなかった。この数か月の間に軽音部の誰かが置いていったのだろうか。
 誰かの持ち物にしては年季の入っているそれはがらんどうの部室の中でやけに存在感を放っていて、それに引き寄せられるように部屋の中へと歩を進めた。
 楽器には詳しくないので、ヴィンテージのギターなのかはわかり得ないが、それが新品でないことは間違いなかった。けれどそのギターが放っている言葉にできない雰囲気に、僕はおのずと触りたいという衝動に駆られた。
 近づいて恐る恐るギターの首を持ってみる。想像していたより軽く感じ、それがなおさら容易に壊してしまいそうに思えて僕の手つきは慎重になった。
 生まれてこの方ギターを弾いたことはなかった。
たまにテレビで見る歌手の姿を思い出しながらそれっぽく抱え、指を弦の上に置いてみる。そもそも指の構え方もわからなかったが、こんな感じだったかなと記憶を頼りに弦を抑えてそっと力を込めた。
 固い弦がやわらかい指の皮膚に食い込む。そっとその抑圧を手放す。反発した弦が震え、ジャン、と音が零れた。
 それはテレビで見る歌手のそれより断然拙かったけれど、誰もいない空間によく響いた。

「なーにやってんの」
 からかうような、けれど好奇心を含んだ、どこか遊んだ声がとつぜん聞こえた。
 動揺してギターを取り落しそうになって、僕はあわててギターの首を抑える。さきほど単一音を弾いていた弦はべん、という情けない音を吐き出した。
「あー、いいよいいよ、それ好きに使っちゃって。誰も使ってないから」
 ろくに音も調節してないし。軽い調子でそう言い、そいつはからからと笑った。
ふわりとした明るめの茶色い髪に、人好きそうな笑顔。いかにも軽音部にいそうな、でもバンドマンというよりは柔らかい印象の文系タイプだった。
「キミ、たまにここに来てるよね」
 ふふん、という言葉が似合いそうなそのセリフに僕はふたたび動揺した。
「えっ」
「ふふん。俺知ってるよ?誰にもみられてないと思ってた?」
 毎年、文化祭にあらわれる軽音部おばけ!なんつってね。
 今ほんとに「ふふん」って言ったな、とか、おばけってさすがに失礼じゃないかとか、つっこみたいところは多々あったけれど。
 誰かに、しかもよりによって部員に、この密かな空間を見られていただなんて。
 ――穴でも掘って入りたい気分だ。
 僕は猛烈な羞恥心に襲われ、顔にかっと血が集まる感覚に襲われた。
「あ、ねえ」
 恥ずかしくて、ギターを抱えて俯いていると、彼はまた話しかけてきた。さっきの揶揄するトーンとは違う響きに、視線だけで彼のほうを見上げる。彼は、ふわっとさせた前髪から円い瞳を瞬かせて、声色とは反対に、に、と笑っていた。
「あのさ、キミ、軽音部入らない?」

※※※

「え?」
「さっきから“え”しか言ってないね」
「いや、だって」
 あまりにも急ばかりの展開に彼の顔を見つめたまま呆然とする。窓から差し込む西日が反射して亜麻色にみえるその瞳にバカみたいな表情をした僕がうつっていた。
 彼はそんな反応を気にもせず、手を後ろで組むと言葉を続けた。
「うちいまギター俺しかいないんだよねえ。しかも男子、俺しかいないの。」
 その言葉に、思わず僕は制止をいれる。
「ちょっと待って。それって…僕にギターをやれってこと?」
「そうだけど。」
 彼は何言ってんの?と不思議そうに僕を見た。不思議なのは僕の方だ。この人は僕の何を見ていたんだろう。
「あの…さっきのギター、聞いてた?」
「ん?うん」
 彼は少し首をかしげると、陽ざしで煌めく瞳を数回瞬かせて、その瞳を柔く細めた。彼の背後からさす夕陽が眩しく、僕は目を眇めるようにして彼を見上げていた。その柔和な表情にどきりとしながら、僕は尋ねた。
「聞いてたなら、僕がギター弾けないの…わかるよね?」
「うん、あんまり上手くなかったね。ていうか、初心者以下だったね」
「う…」
 淡々とした声で返されるとそれはそれで傷つく。それでも負けずに更に問いかけた。
「じゃ、じゃあどうして」
「うーん」
 ギターと戸惑いを抱えじっと見上げる僕の疑問に、彼は唸ったきり喋らなくなった。
僕と彼との間に静寂が訪れる。オレンジの陽ざしで浮き彫りになったほこりっぽい空気だけが動いていた。
 数舜のあと、彼は真面目な顔つきになると、やけに確信に満ちた眼差しで断言した。

「音を聞いたとき、思ったんだよね。俺と一緒に、俺がやりたい音楽やれんのはコイツしかいないって」



心の底で、ピアノの駆け上がるような旋律が聞こえた。
それは僕らの青すぎる春の、始まりを告げる音だった。




2017.4.2  updated.





*****
【あとがき】

間に合わなかった…!こんばんは、蒼海です。
3月中にあげると言っていた例の短編です。短編…?なのかしらこの長さ。でも、中編ではない。
これは結構前から温めていた(書きかけだった)お話です。
文化祭…というか、青春ぽい爽やかな風が吹いている雰囲気のものを書きたかったのかと。
学校によって文化祭の時期は多少異なると思いますし、ましてや高校って確か秋…だったような。
おそらく秋に書き始めたんですが、春…っぽくもあるしいいよね!ということで。

この話に関しては最後から2番目の一文が真っ先にでてきました。
それから、こっそり部室にしのびこむ男の子と、ふわふわ飄々とした態度の男の子のシーン。
暖色に染まった夕方の部室とギターのへたくそな音。

まだまだこういう、脳内に流れるドラマみたいな情景を書ききる体力がなく埋もれるお話達がたくさんあります。
こういう情景に求めているものはなんでしょうね。いくつになってもこういう歳や始まりのお話、書けたらいいです。

ちなみに蒼海の記憶にある部室は基本、窓がありませんでした。窓欲しかったな(笑)

春、というには少し寒い日が続きますがみなさん心身を大切に。
素敵な新しい始まりを切に願っています。